猫とは、テーブルの上に何かがポツンと置いてあったら、落としたくなる生き物である。中には中身入ったコップを落とそうとする猛者もいるようで。かぼすさんは、大物には興味がなく、小物を見るとウズウズしてしまうみたい。そして、状況も、テーブルに比較的たくさんものが置いてあったらそそられないのですが、「ポツン」と小さいものがあると、落としたい欲求に駆られてしまうようでした。綺麗好きなのかな。ズボラで片付けが苦手な飼い主、見習いたいものです・・・。
でも、さすがのズボラ飼い主も、ものを落とされてしまっては、そのまま落ちっぱなしにすることはできません。先日は、かぼすさん、「目薬」を落としたくて堪らず、テーブルの上を覗き込んでは、慣れた手つきで上に登りました。
我が家では、別にテーブルに登っても悪いことだとは思ってないので、特に注意することもなく飼い主は様子を見ていたのですが、かぼすさん、小さなお手手を使って、テーブルの上にあった小さな目薬でちょいちょいと遊び始めたんです。
ちょいちょいする時のお手手、これもいとをかし。白い小さなクリームパンが、器用にグーパーして、絶妙な力加減で、目薬を右にやったり・・・左にやったりしていました。
最初は、転がすのがただ面白い。そんな感じだったのが、どんどんテーブルの端の方に目薬が寄せられていったんです。「あ、目的が変わったな」とすぐさま察しました。
予感は的中して、ポトリ。カーペットに落ちるはずだった目薬を、飼い主は広げた手のひらで食い止めました。かぼすさんは、床に落ちるはずだった、しかし遮られた目薬をじっと見つめて、それがちょっと悔しそうな表情に見えたりして。
「残念でした」と言いながら、テーブルの上に目薬を置き直します。この時、かぼすさんは「悔しそうな表情」とかじゃなくて、完全に「むっ」とした表情をしました。気に食わないんですね。
そして決意したような顔をして、また目薬のそばにスタンバイ。手を振りかぶって・・・それまでとは比にならない力強さで、「スパーン！」と目薬を殴り飛ばしてました。猫も意地になるんだなって。
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